私の手許には数十冊の海軍兵学校の教科書がある。そして巻頭の扉には必ず上記のような文言が印刷されている。その他の校長は住山徳太郎、新見政一、草鹿任一、井上成美、
兵学校の教科は普通学と軍事学に大別される。
普通学とは国語、漢文、歴史、英語、数学、力学、物理学、化学、心理学等の一般教養科目で、山高帽を被った文官教授が、軍事学とは航海、運用、砲術、水雷、通信、航空、機関等で、軍服を着た武官教官に教わる。
軍事学には軍隊の機密事項も含まれているので、赤い表紙の物が多く、それは一時貸与されその教程が終わると返還することになっていたので、秘の教料書は手許には無い。
兵学校ではどんな教材で、どんな勉強をしたのであろうか。教科別に見てみよう。
(以下 略)
(なにわ会ニュース第65号19頁 平成3年9月)