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前立腺高温度療法の経過と感想


【初めに】
 平成14年10月28日、前立腺高温度療法の治療をしました。私にとってははじめての体験であり、前立腺肥大で悩んでいる人の参考になればと思い、纏めて見ました。

【治療するまでの経緯】
平成○○年7月から都立の某病院で受診、薬で治療していたが、効果なく、薬の副作用か便秘がひどくなり、この治療を決心した。私の前立腺は、余り大きくなく20ぐらいなので、経尿道的前立腺切除術の必要性は薄く、まだ、これから新しい治療法が出てくるので、とりあえず高温度治療でやってみてはということになった。
 高温度療法ならば、1時間以上もかかる都立某病院よりは、近くのA泌尿器科で治療することにした。

【前立腺の情況】
 私の前立腺の大きさは25ぐらいで余り大きくない。
 但し、排尿の勢いは弱く、また夜3-4回排尿のため目を覚ます。また、頻尿気味で2時間ぐらいで出たくなると我慢出来ない。残尿は50程度であった。

【A泌尿器科における検査】
10月14日 初受診 血液検査 尿検査 直腸から触診触診のときは、ズボン、パンツ、を下げて上向きに寝て、両足を抱えるようにして、上にあげ、先生がゼリー状のものを塗り、指サックをした指を肛門に入れて、前立腺の大きさ、硬さを調べた。

10月21日 2回目受診 前回の血液検査の結果PSAは0.2でガンの心配は無い。経腹的エコー検査で前立腺の大きさ25、で余り大きくない。この病院ではパンツをペニスが見えるまでさげて、ペニスの近くをこすっていた。(都内某のときはペニスの上10センチぐらいまでだった。)高温度療法について質問して、要領を納得し、治療をお願いした。来週月曜日に行うことにきまる。

【いよいよ手術】
生まれて始めてペニスに物を入れられる。痛いか。気持ち悪いか。トテモ恥ずかしい。

平成14年10月28日(月)
1200 A泌尿器科に到着。約15分待って手術室に入り、上のシャツだけとなる。ズボン、パンツを脱ぎ、下は丸ハダカでタオルを巻く。

【いよいよハダカになる。恥ずかしい】
1230
 看護婦が来て、前ささえのような格好で尻に座薬をいれられる。

1245
 先生がきて、タオルをとり、下は丸裸、ペニスとその付近をよく消毒し、尿道に麻酔薬を注入する。約十分間そのままで麻酔のきくのを待つ。(剃毛はせず、内視鏡切除時は剃毛する)

1315
 ベッドに移動、仰向けに寝る。上はシャツ1枚、下はタオルを掛けただけ。先生が来て、足を上げて両足を抱きかかえるように言われ、その格好で、肛門に温度計(相当太い)を挿入される。一寸気持ち悪いが痛みは無い。次いで、仰向けになり、尿道に器具のついたアプリケーターを挿入する。挿入時の痛みは全くなし。

1316
 温度を次第にあげて50度とする。とても気持ち悪い。この温度をあげるときに違和感があり、モゾモゾした感じがして、悪い。(治療中一番気持ち悪かったのはこの温度を上げるとき)約1時間50度で暖める。途中雑談を先生として気を紛らわした。話をしていると痛みや嫌な気分が出ない。前立腺の本やインターネットで見る体験談には温かくて、気持ちよく、イビキをかいて眠る人もいると書いてあるがとても信じられない。先生は、それはすこし眠り薬をのませてやったのではないかといわれた。先生の話によれば話をしているのが一番よいようだとのこと、そこで戦争の話やHな話(男は何歳まで精液は出るか等)をしていた。話をしていると嫌な気分がけされる。

1415
 加熱終了、その後、約10分そのまま様子を見る。

1425
 管の取り外し、肛門、尿道とも痛みなし。このときも下は丸裸、もう少しも恥ずかしくない。先生と中年の看護婦一人。二人で肛門、ペニス、腹を奇麗に消毒してくれた。細いカテーテルを排尿のため取り付けた。長さ40センチぐらいの鉛筆より少し太いカテーテルを尿道から挿入 、先端約18センチが出ている。約1週間そのままとのこと。

1430
 点滴約20分

1500
 全部終了。立ち上がるとカテーテルの付け根付近がムズムズする。

1515
 精算終り病院発。費用17500円(保険1割負担)

1545
 自宅着。薬 ピブラマイシン ムコスタ 7日分 朝晩服用。 座薬 ポルタレンサボ。カテーテルは1週間後に病院ではずす予定。果たして今夜眠れるか。

2100
 床に入る。暫くすると尿意が催して気持ち悪い。膀胱が痛む

2230から
 1時間ごとに目が覚めて排尿。

2日目(29日)0530
 排尿 起床 本当に眠れなかった。一晩の尿の量 コップ2杯

0630
 朝食 排尿。一晩中苦しんだ。尿意が催すと我慢出来ない。排尿すると楽になる。
 A泌尿器科で診察 カテーテルから尿が出ていれば大丈夫、カテーテルは出来れば1週間つけておいた方が良い。早く取り除くとすれば金曜日、しかし、尿が出なくて入れなおさねばならないことがある。座薬は一日4回入れたほうが良いといわれた。

【連夜の失敗】
 昨夜の眠れないことの対策として2日目の夜は次の方法を試みた。カテーテルの蓋を外し、管の先端に袋をつけて寝た。約4時間連眠れたが、袋からもれた尿で目が覚めた。見事失敗。3日目は次の方法を試みた。    
 カテーテルの栓を空けて就寝したため、沢山漏れて、パジャマは無論シーツまで濡れて目が覚めた。またも失敗。4日目からは夜2回目覚める程度で落ち着いた。

第6日(○○月2日)
 カテーテルを上で固定するとテープをはがすとき、恥毛を引っ張り痛い。そこで、少し剃毛した。毛を苦にせず、固定できる。はや、6日目、もうカテーテル装着の違和感は無くなった。

第9日(○○月5日)

0830
 病院着

0845
 診察室に入る。看護婦さんがズボンとパンツを膝の下まで下げてくださいと言ったので、面倒だから両方とも全部ぬいでベッドに横になった。このとき看護婦は外に出た。脱ぎましたというと、先生が入ってきて、では抜きますと言い、カテーテルを持って、「息を吸って」と言って抜き出した。少し嫌な気持ちになったら、そのまま息を吸っていてといわれ、すぐ抜けてスウーとした。全然痛みは無かった。 その後、尿道を消毒されると思っていたが、何もされず、少し評しぬけ。

1100
 カテーテルを抜いて初めて排尿。ホートした。以後おおむね2時間ごとに排尿。

【まとめ】
1. 1ヶ月経過したがまだ、効果は不明であるが、感じとしてトイレに入ると、すぐ排尿できる。尿の勢いは随分良くなった。ただ、膀胱に尿が溜まると我慢出来ず、チビルことがある。

2. 1日の排尿量は1600ccで問題ない。

3. 治療中の痛みは全くない。少し気分が悪いだけ。

4. 麻酔は肛門から痛み止めの座薬、尿道を局部麻酔だけ。麻酔を打つ痛みや不安は全くない、

5. 私のように、病気で手術した事の無い者にとっては、大事なところをさらけることに抵抗があり、始めるまでは、どんな風にされるのか不安であった。しかし、始まったら、恥ずかしくない。全く平気。また治療の前に剃毛されると思っていたが、剃毛されなかった。また、先生や看護婦は馴れたもので、全く物を扱う態度であり、それを見て気にならなくなった。始まる前まではバスタオルで隠していたが、始まったらそのままどんな物が入れられるか見ていた。終ったからは、看護婦がきれいに消毒してくれた。カテーテルを抜くときは、ズボンとパンツを膝まで下げてくださいと看護婦が言ったが全部脱いで下半身ハダカで抜いてもらった、
 恥ずかしいのは始まるまで。始まればその後は、なんとも感じない。6日目に自分で剃毛して、8日目にカテーテルを抜くため、ペニスを出して、剃毛した局部を先生と看護婦に見られたがなんとも感じなかった。
6. 嫌だったのは、治療したその日の夜、眠れなかったことだけであった。当時はなぜこの手術をしたのか後悔するほど嫌だった。

7. 8日間排尿用カテーテルを入れていた。尿道から20センチ程度でており、ブラブラして抜けるおそれがあるので、下腹に固定しておくと良いと言われた。然し、そのまま、上に固定すると擦って痛いので、出来るだけ下のほうをテープで固定し、折り曲げてパンツの中に入れたら調子良かった。しかし、そのテープを外すとき毛を引っ張って痛いので、少し自分で剃毛した。その後は、楽にどこにでも固定できてよかった。

8. この高温度療法では良くなる確立は50%前後と言われる。もし、効果ないときは次の方法で治療すれば良いと考え治療した。

9. 初めてのことなので随分心配したが、インターネットが非常に役にたった。


【最後に】

 前立腺治療で経尿道的前立腺切除術(TUR−P)が最も優れた治療法であるが、患者の負担が大きいこと。二週間程度の入院が必要であることを考えると、今度治療するとすればレーザー療法がよいと考えています。レーザー療法には次の4つの方法があります。

TUBL−T 尿道に治療用の管(レーザー発信ブローブ)を挿入
       前立腺にレーザーを照射する。
ILCP   尿道に治療用の管(レーザー発信ブローブ)を前立腺組織内に刺入し 
       前立腺組織深部でレーザーを照射して変性させる。(凝固法)
VLAP   レーザーを照射する装置と内視鏡を尿道から挿入する。
LCVP   前立腺組織を蒸散する方法。(蒸散法)

             (平成14年○月28日記す)