宮林 久夫の仏壇にお参りした樋口 直
編集部
参拝クラス会が終わった六月吉日、思いがけず樋口 直が宮林の仏壇にお参りりして、姉上の士原弘子様が嬉しさの余り、当日写した写真とともに次のお手紙を頂いたので紹介する。
『六月十四日、思いがけず樋口 直様が宮林の仏壇にお参りにお出で下さいまして嬉しく存じました。昭和二十一年一月二十九日に突然おたずね下さいまして、翌三十日のお葬式にはご立派な弔辞を頂いてから五十七年ぶりかと思います。
宮林の家は蔵と仏間のみを残し、他は全部取り壊して駐車場になっているので全く分からなかつたと吃驚しておられました。
でも、ゆっくりお参りして下され、一時間半ばかりいろいろお話して、夢のような現実の時間でした。大場の妹も来てくれ、また、丁度百万石まつりとて、町内の太鼓行列に法被を着た曾孫もきており、樋口様に抱いてもらい、いいことをしましたと写真同封いたします。元気で生きていてよかったとつくづく思いました。
遺影や遺刀、遺品等を並べ、どんなにか、弟も父母も喜んだことと思います。改めて、樋口様の書かれた立派な弔辞を家中で読み返しました。当時、当時、遺族の家を訪問したけれど随分つらい思いをした等お話をお聞きしました。でも、私どもにとっては一生忘れることにない有り難い思い出です。(後略)』
(なにわ会ニュース89号81頁 平成15年9月掲載)