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「五省」始まる


 昭和7年(1932)4月24日,勅諭下賜50周年記念式祝賀会および観兵式が挙行された後,校長松下元少将は訓示を行って「生徒は自習室に東郷元帥謹書の聖訓を掲げて五省を始める」よう指示した。
 つづいて同年5月2日,下記文面から成る兵学校訓第37号が出された。

1 爾今朝食時生徒は当直監事の「着け」の令にて着席し「勅諭五ケ条」を黙誦することに定める。黙誦終り当直監事の「食事に掛れ」の令にて朝食するものとす。
2 夜間自習止め5分前,喇叭「G1声」にて生徒は自習を止め,「勅諭五ケ条」及び「五省」を黙誦(各分隊1名輪番拝誦)して一日の行為を反省自戒すべし。
 それ以後,生徒は自習止め5分前になって「G1声」のラツパが鳴り響くと素早く書物を机の中に収めて,粛然と姿勢を正す。当番の生徒が,自習室正面に掲げられている東郷元帥謹書の「勅諭五箇条」を奉読,つづいて「五省」の5項目を問いかける。


1.至誠に悖るなかりしか
1.言行に恥ずるなかりしか
1.気力に欠くるなかりしか
1.努力に憾みなかりしか
1.不精に亘るなかりしか

 生徒は瞑目して心の中で,その問いに答えながら今日1日を自省自戒する。「自習止め解散」のラッパで緊張が解かれた。

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