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日記抄と遺書

福田 

海軍機関学枚時代の日記の一部

 実践垂範トハ常ニ吾人ノ口ニスル所ナレドモ真ニ行ジ難キモノナリ。去ル15日再起ヲ誓ヒ立チタル吾人モ実践垂範ノ域ニ達セズ、更ニ努力スベキ点ナリ。本日大掃除ニ於テ、座光寺教官ノ自ラ「ソーフ」ヲ取ラレタ姿、深ク考エセシメラレタリ。口ヨリモ唯一ツノ実行、現在ノ時勢ニ於イテハ、百ノ理屈ヨリ一ノ実行ガ深ク要求セラルモノナリ。

 

 

親を想ふ心に勝る親心

今日の音づれ 何と聞くらむ

 

 此の世に生を享け23年何等の御恩に報ゆる事無くして御両親様に先立つ不孝何卒御許し被下度。

 今や皇国は存亡の極めて重大なる岐路に在る秋、選ばれて此の壮挙に参加し得るの光栄例へん方無之候。此の事の成ると否とは天命に候も、皇国三千年の歴史を擁護し奉らんとする小官等の志の赴く所

、何卒御酌取被下度。なお 斉死すと雖も魂は永久に生きて皇土を守護し奉るものに有之候。最後に御両親様はじめ皆々様の御多幸ならん事を祈り中上候。

益田先生、山崎先生、並に田尻部落御一同様に宜敷御伝言被下度。斉

御両親様  殴り込みを寸前にして 意気極めて軒昂  見事に散りたるを聞き給はば萬歳三唱致さるべく 女々しき振舞あるべからず

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