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平成22年5月10日 校正すみ

竹内 茂君への弔辞

伊集院正年

謹んで故竹内 茂君の御霊に申し上げます。昨日、突然の訃報に接し、驚きと悲しみに打たれております。長年にわたる闘病生活にて、心身共に消耗の極みにあったにもかかわらず、生への追求に全力を尽くされ、養生に努めておられました姿にはただただ頭の下がる思いでおりました。

さて、君は昭和18年9月、江田島の海軍兵学校を第72期生徒として卒業された後、霞ヶ浦航空隊を経て航空最前線の配置となり、敵機との空中戦闘に活躍され、赫々(かっかく)たる戦果をあげられました。

幾多の空戦にも、戦運に恵まれ、無事帰還されましたが、残念ながら我が国は武運つたなく敗戦となり、海軍は解体され、復員の憂き目にあいました。

その後は、九州大学医学部に進学され、以後、地域における医療に尽くされ、開業医として成功をおさめられました。

しかし、昼夜にわたる激務で、体調を崩されたものと推察いたします。

時折訪問の際には、穏やかな笑顔で碁の相手をしてくれた君の姿が浮びます。

安らかにお休み下さい。心からご冥福をお祈り致します。

平成14年2月16日

海軍兵学校第72期 伊集院正年

(なにわ会ニュース87号18頁 平成14年9月掲載)

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