平成22年5月8日 校正すみ
清水 淳の手紙
押本 直正
次の手紙は清水 淳から押本直正に来た手紙である。
お手紙有難うございました。なにもかも御無沙汰で申し訳ありません。
復員後間も無く発病、一進一退の闘病生活も好転することなく逐次悪化して行き、昭和35年夏2回に亘る大喀血(体の中の血液が空になるかと思われるほど)で生き延びることは恐らく出来まいという所まで追い込まれましたが、翌36年残こされた唯一の手術が見事に成功して一命をとりとめることが出来ました。
その後も闘病生活を続けており半世紀になります。
このような長い闘病生活を送りますと、左肺が無いために直結している心臓に異常が生じてくるし、また、ストマイカナマイ等の強い薬の連続投与による影響も出て来ます。
一年中頭が重く清々の日がありません。心筋障害からくる発作やその他の後遺症で幸い毎日です。
木の芽の出る春先から、梅雨時、夏と、いやな季節が続きます。特に高温多湿は全くやり切れません。
それでも、秋の気配が日一日と濃くなり、体調もいくらか楽になってやっとベンを取る気になりました。
一応概略だけ記してみました。312空時代のことなどいろいろありますが、この辺でお許し下さるようお願いします。
これからも御無沙汰すると思います。お許し下さい。
(平成8年9月16日)
(なにわ会ニュース76号40頁 平成9年3月掲載)