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平成22年5月4日 校正すみ

故 押本直正君の三回忌法要

        足立 喜次

平成131226日逝去した故押本君の三回忌法要は、平成151214日(日)午前11時からご遺族・ご親戚とともに、我々4人(山田良彦夫妻。市瀬文人・足立喜次)も同席させて頂き、東福寺本堂で執り行われた。

当日は師走中旬ではあったが、雲一つ無い晴天に恵まれ、風も無く暖かな日和であり、広い本堂も寒さを感じず、静かに故人の冥福をお祈りした。本堂での読経・焼香の後、席を改め、座敷にて茶菓の接待を受ける。ご住職の法話を拝聴した後、押本家の墓に移動した。

当寺院は西浦賀紺屋町の山腹に位置し、眼下に浦賀港を、遠くに浦賀水道を望み、周りには雑木林の密生した(もり)が眺められ、誠に落ち着いた美しい風景である。山田君の言によれば、故人もこの眺めをこよなく()でていたである。なお、当寺院は本年ノーベル賞を受賞された小柴博士の先祖のお墓があことで知られている。

境内の一隅に所在する押本家の墓前で皆様と一緒に手を合わせ黙祷を捧げた。一瞬私の脳裏を横須賀で葬儀の裏方を手伝ったクラス(及川久夫 昭和56年没・松元金一 平成5年没・木庭啓次 平成8年没・眞鍋正人 平成10年没・角田慶輝・平成12年没・押本直正 平成13年没)の面影が横切り、何ともいえない寂しさを感じた。

東福寺での行事は滞りなく終り、それぞれの車に便乗して大津の押本宅に正午過ぎに到着した。

押本宅は今年洋風二階建てに建て替えられ、我々四人は木の香りの薫るダイニングルームに通された。故人の遺影の前に設けられた席に、押本未亡人、2人の息子様及び押本未亡人の従兄弟様と向かい合いに座った。押本未亡人のご挨拶・献杯に続き会食に移り、故人の生前を偲び、海軍のこと、住いのこと等話は尽きなかった。押本未亡人は顔色も良くお元気で、息子さん一家と住み良く設計された新居で静かに幸せに過ごしておられる。

なお、新居の模型を拝見した際、故人専用のスペースを設け、故人の収集した資料等を収納してあるとの説明があったが、押本未亡人、ご家族の故人に対しての深い思いが(うかが)われる。帰りは、ポーチで皆様の見送りを受け、山田夫妻・市瀬組は車で久里浜駅まで送って頂く一方私は押本未亡人のご配慮により、お孫さん(中学生 陸君)が荷物を持って徒歩約10分の我が家まで、中学校のこと、剣道のこと等を話しながらエスコートして頂いた次第である。    合掌

(なにわ会ニュース90号17頁 平成16年3月掲載)

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