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新見校長満百歳祝賀会

澤本 倫生

去る六月十六日、市谷会館に於いて、新見閣下の満百才祝賀会が、富永謙吾(兵54期)氏の「定本太平洋戦争」出版記念を兼ねて、市谷会館で行われた。
 諸兄も知る通り、新見閣下は一昨年「第二次世界大戦戦争指導史」を出版された。之は実に膨大な内容豊富な著書であるが、閣下は、『若し第一次大戦の戦訓を生かして居れば、日本はあんな馬鹿な戦争はしなかった筈だ』と常々言って居られる。私も何回も砧の閣下の御宅で、第一次大戦の事を詳さに調査された閣下の資料を拝見し、御高説を承っている。

本年始頃54期の土肥さんに、『「定本太平洋戦争」出版祝をして上げなさいよ』と言われたそうである。この本は、富永氏が、昭和32年末、史料調査会で調査された史実を中心に欧米の資料をふんだんに取り入れた大集成作で、将来の歴史研究の為にも重要な著書である。所が、富永さんは「新見閣下の百才祝がで、将来の歴史研究の為にも重要な著書である。所が、富永さんは「新見閣下の百才祝が先である」と言い、新見閣下は「百才祝は昨年してもらったからもう必要無い」と言って譲られず、困った土肥さんが、50期の寺崎さん等に相談し、結局二つの祝賀会を合併で行うことになったのである。(以上慰霊級会で説明した通り)クラスの方多数にも発起人になって戴いた。此処に感謝の意を表します。

当日は71期野村さん等の第二次大戦についての所見発表が1300から行われたが、何れも時間不足で尻切れトンボに終った。

1500から祝賀会が始まったが、祝辞が五人続き、小一時聞かかった。次いで閣下の答辞があったが、驚いた事に閣下はその五人の名前をスラスラと述べられ、昨年の白寿祝の御礼迄述べられた上、「定本太平洋戦争」のすばらしさを話された。本当に百才とは思えぬ御元気と、頭脳のサエであった。

次いで富永さんの祝辞、御両人への花束贈呈があり、やっと乾杯となったが、参集者約三百人、盛大な祝賀会であった。

クラスの参集者、岡本、後藤(脩)、左近允、白根、多胡、豊広、飯野、伊佐、中村、山田(穣)、河野、沢本の十二名(樋口、水野、渋谷は出席出来ず)

尚、その時帰りに「海軍兵学校長新見政一中将訓示録」を各自に差上げたが、之は閣下の同窓の後輩、沖新(吾々と同年位。軍歴はないが、海軍崇拝者)氏が自費出版したものである.6872期の幹事会では、「それでは相済まぬ、一部500円で貰わせて頂こう」と言うことになり、なにわ会でも80部御与りした。希望者に送るから、澤本宛五百円送って下さい。実に良い事が述べられて居り、今後の人生や経営にも役立つと思う。

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