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平成22年5月11日 校正すみ

中村元一君を偲ぶ

左近允尚敏

 中村元一君が平成20年9月15日に亡くなった。翌16日に横須賀市久里浜の斎場でお通夜が営まれたが、ごく身内だけでということで、なにわ会からは高田俊彦君と私が参加した。

 元(がん)ちゃんとは江田島ではお互い知らなかったと思うが、昭和20年代の後半に二人が海上自衛隊に入り、すぐに親しくなった。30年代の初めだったか、67期の野尻さんと中村君が拙宅に泊りがけで見え、マージャンをやったことがあった。

 パインなにわ会は平成3年から続いているが、始めたのは元ちゃんだった。彼から「71期がパインでやっている。うちもやろうじゃないか」と話があってすぐに賛成した。毎年彼と私が幹事役で続けてきたが、中村、出口、野崎の三君は会のあと場所を変えて「榛名会」をやるのが常で、私も一度顔を出したことがある。

 皆勤だった出口君が体調を崩して平成15年から顔を見せなくなり、元ちゃんも18年までだった。19年の暮れに横浜の病院に見舞ったときは喜んでくれ、約一時間話し込んだが、それが最後になってしまった。20年になって見舞わなければと思いながら時が経って訃報に接し、申し訳ない気持ちでいる。

 性、闊達にして磊落、実にいい男だった。思い浮かべるのは笑顔の元ちゃんだけである。

父君は新見校長と同期の36期で、澤本倫生君もそうだったが、この36期は遺族のクラス会が続いていると彼から聞いた。お通夜の席に細萱中将の息子さんが見えていたが、そのつながりからかと思う。

 本当に淋しくなった。謹んで中村元一君のご冥福をお祈りします。

(なにわ会ニュース100124頁 平成21年3月掲載)

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