主人の病気
森 栄内(サンパウロ 6/9)
先日は御丁寧な御便りと写真をお送りいただき有難う存じました。(注1)
御心配頂きました主人の治療に関しまして早速富田様(注2)から御連絡がありましたので、御厚意にあまえ、多田様(注3)既知のサンパウロ大のDRヅッケルマソに診察を受け、(お二人同道で)脳波の検査等の後、リハビリテーショソセンターを紹介されましたので、四月中旬から週二回づつ通って指導をうけ、家庭でも時々訓練を致しておりました。
家からタクシーで凡そ四、五十分位、リハビリ(療法士二人で各三十分づつ)が、凡そ一時問と言うところで気候もまあまあと言うところでございましたが、急に五月末に当地は寒波に見舞われ、血圧関係には一番悪い気候になりました。
折角調子も割にょかったのですが、気候には勝つ事が出事ませんので、暫く休んで寒さが過ぎるのを待つことに致しました。
皆様方に御心配、御助力頂きまして心から感謝致しながら、養生に励んでおります。
どうぞ、おクラスの皆様方にも呉々もよろしく申し上げ下さいますよう御願い申し上げます。
(注1)押本が南米出張族行の途次、3月19日サンパウロの森教官のお宅を訪れた。その時の森さんのお話しによれば、「78年3月14日倒れた。右半身に若干の障害が残っているため手紙を書くのは困難。今年中に65歳になるので恩給が全額支給となる。86歳になった母はサンパウロの気候が体に合って元気。三女の英子は下川君と結婚、3歳の男児誠と共に同居している。
下川君はリオデジャネイロに勤務しており週末にはサソパウロに帰ってくる。ニテロイからつれて来た犬のポチは日本語しか解さないので番犬として好適。」
(注2)富田達雄君、77期、三菱レイヨソの技師としてブラジルに渡ったがそのまま永住。サンパウロで会社を自営。5月26日付の彼の手紙にょると、
「74期の多田さんと相談して、森教官をサンパウロ大学医学部のヅッケルマソ教授に診断してもらったところ、軽度の脳血栓とのことで、週1回リハビリティショソのため、通院することになった。一回約一時間で、30分は体操、30分はぬり絵などの頭の体操、宿題もあり教官も楽しんでやっていらっしゃる模様云々」とあった。
(注3)多田滋君」74期、ブラジルに移住して25年、奥さんはブラジル人、電機器具商を自営。押本が訪問した時の話に、「森教官はどうも近代医学がお嫌いのようで、その意味では困る。近日中に富田と相談して強制的に受診させるつもりです。」と話していた。
4120