魂のふれ合った−年間
原田 耕作(72期主任指導官)
貴級会名簿及びバイパスニュース綴、たしかに頂戴、懐しく拝見させて頂きました。
(中略)
さて、小生海軍生活二十有余年をふりかえって何が一番深く印象づけられているかと申せば、貴クラス入校後に過したあの一カ年でしょう。それもそのはず、あれは魂と魂がふれ合う一カ年であったのですから、あんな真剣な生活は他にはどこにもありません。
それにつけても、終戦後、貴クラスの戦没された方々は如何であったであろうか等、折にふれ時々思いうかべることもありましたが、このたび、始めて名簿を拝見し、いかに戦況、我に利あらずとは申しながら、過半数を失われたことは江田島でのあのひき当時を思いまことに感無量に存じました。
ただただ、その霊に対し、ひたすらご冥福を祈りあげる次第です。
また御名簿を拝見いたしますと、各位にはそれぞれ社会の中堅に立たれご活躍、まことに慶賀のいたりに存じます。終戦このかた、いろいろの階層の、いろいろの年配の人々と接触してまいりましたが、痛感させられることは男女を問わず、世間一般の旧海軍士官に対する評価と信頼は、意外に高いということでした。今後とも、お互いにこれらの社会の寄託に副いたいと存じます。
おわりに貴クラス各位ますますご繁栄あらんことをお祈り申し上げます……。
注 原田教官ご転勤後の期主任指導官入佐教官は大鳳飛行長としてサイパソ沖で戦死されました。原田教官のご住所は、(掲載 略)