平成22年5月13日 校正すみ
流星居士へ
大谷 友之
久遠院天栄流星居士君、淋しくなったよ。
この戒名に『反骨洒脱』が加わったら一層ピッタリだね。
二号の時、一号を送り出す分隊会で、流星居士作並びに演出の「新版自浪五人男」で遺憾なくその才能を発揮、分隊員を抱腹絶倒させ乍ら、大いに溜飲をさげたのは、もう40年以上も昔の想い出になってしまったね。
彰夫君の小学校の入学の際『斎戒沐浴の上、教育大附属小学校の当りくじを美事引き当てたよ』とはにかみ乍ら喜んで話した子煩脳振りは、今も眼底に鮮やかだ。
貴兄は、結婚を初め人生の旅を急ぎ、自己に正直に生き、とうとう冥土へもクラスで三十三番目と急いだね。戦争中に死没した三百三十五名の連中は流星居士の加入で、急に賑かになり喜んでいるだろうが、こちらは大きな孔が空いてしまったよ。
流星の如き一生を送った貴兄が羨しくもあるが、残された身には恨めしい。
いずれそちらに行くから、地均しを頼む。
(なにわ会ニュース53号37頁 昭和60年9月掲載)