第二回戦闘機会
飯野 伴七
第二回戦闘機会は平成五年十月三十一日(日)十一月一日(月)の二日間二十名が参加し浜名湖畔館山寺温泉景泉閣に宿を取り懇親会、翌日浜松航空自衛隊の研修見学を行った。
十月三十一日集合地は浜松駅一五〇〇。旅館差し回しの車に乗り浜名湖畔の旅館に到着部屋に落ち着いた。
今回は他機種より戦闘機に転科した三人にも案内し、その一人多胡が参加、又川越・村瀬・松山・岡本の四人が新たに参加した。地元大槻が故田辺光男の墓参(真鍋・川越・恒川が代表)を案内してくれ懇親会・研修会に特別参加した。懇親会の席上自己紹介があり卒業以来五十年振り始めての再会者もあった。
懇親会の進む中、今回は村瀬の日本舞踊の余興から始まり第一回より落着いた風情であったがたが酒量は相当に上り、二次会は旅館内カラオケバー及部屋で二三〇〇頃迄続けられた。
十一月一日は快晴、〇九〇〇旅館発浜松航空自衛隊へ向った。今回の自衛隊第一航空団研修見学会は空自出身の川越が浜松第一航空団の元司令でもあり、航空自衛隊に研修団とし
て研修見学を申込み第一航空団は司令以下幹部が万端の研修コースを準備して待ってくれ、一〇〇〇より隊内全般を車で巡回宴内し、特にフライトシュミレーター室では、教習中
の時間を割いて四組に分け一時間半に亘って全員乗機体験研修上昇急旋回の醍醐味を味わった。
昼食は航空団幹部と会食懇談した。午後にはT4ジェット練習機の離着陸実習を目前に見学、軽快速度の速さに往年の戦闘機と比べ感嘆、装備安全管理の実体を研修、格納庫にあったなつかしの零戦の復元機をはじめ、F104
F115の実機を見学して一四〇〇研修終了。一五〇〇浜松駅にて解散した。
航空自衛隊第一航空団司令宛 恒川より礼状発送(次の通り)
研修のお礼状
前略
過日錦地を研修団として往訪の際は自衛隊記念日にてご多忙中にも拘らず各部署の皆様の懇切なるご応対を賜り団員一同感激致しました。
私共の搭乗員時代とは様変りした各種航空機・兵器装備など技術の進歩には驚きを禁じ得ませんでした。就中パイロットの養成に多段階を設けて長時間を掛け、かつこの貴重な人的資産を守る各種安全対策には旧海軍航空隊の兵術思想とは格段の差異があることを痛感致しました。
又フライトシユミレーターの素噂しい臨場感には団員一同魅了され細かな動作を可能にした電子技術とソフトウェアーの威力にも脱帽した次第です。
昨今政界やマスコミの一部が何かにつけて下らぬ素人的防衛論を展開する中、貴隊員の規律正しく旺盛な士気を感じて安堵しました。
私共は最早物理的に国防の一翼を担う状況にはありませんが精神的には皆様の応援団の心算です。
何卒この上ともご健勝にて任務を全うされることを祈ります。
有り難うございました。
平成五年十一月四日
第一航空団研修団代表 恒川愛二郎
航空自衛隊第一航空団司令
空将補 後藤 龍一 閣下