脅威の階段jj
下から順に、はりきる三号(腰が入って関所パススタイル)
やれやれ寝られるとノンビリムードの四号(やり直しは確実)
階段中ほどの広場で180度回頭するのだが、この回頭点がポイントである。「待テー」という声で「ア、今日もまたあの〇〇一号生徒」と見当がつく。大体階段の上で仁王立ちする一号は定連、即ち階段に近い自習室を持つ分隊の一号が多かった。
回頭点をすぎると上目づかいにかけ上れば軍帽の庇の位置に一号の足がみえる。
そこで仁王立ちの一号の間に目標を定めてかけ昇る。衝突すると「何処に眼をつけとるか〃‥やり直せ」とくる。中に反骨精神旺盛な奴はどなられるのを覚悟で、わざと一号にぶっかり、あわよくばつきとはしてやろう、という特攻下級生もごくまれにいる。
上から二段目の二号生徒ともなれば、懸命の三号、四号を横眼で見ながら、我不関焉とかってモクモタしていた最下級生時代を思い浮べつつ悠々、且つ隙なく階段を上下する。最上段の一号は腰に手をやり、獲物来たれとどなりたてる。側の腕組みの一号は補佐役、一度にドッと来るので、左の一号の網にもれるシマラナイ奴が出る。それをしとめて、足らざるを補う役をする。防備はなかなか堅固にできている。