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平成22年5月5日 校正すみ

桂 理平様への弔辞

大島 達也

 私達が敬愛する先輩桂理平様のご霊前に、京都ネイヴイ・セブンティ会を代表して謹んでお別れの言葉を申し上げます。

 思えば今から約14年前、平成 7 6月に呼び出されて京都駅近くの居酒屋へ行ったところ、海軍兵学校の先輩数名が居られ、そこで桂先輩とお会いしたのが初対面でした。

 盃(さかずき)を交わしながら「海軍士官だけの会をつくろう」という桂先輩の提案で話がまとまり、早速その設立の準備にとりかかり、その年の12月に「設立総会」を開いて、そこで「京都ネイヴイ・セブンティ会」が誕生発足しました。そして桂先輩が代表幹事に就任されました。

 桂代表幹事の方針として、単に軍隊時代を懐古するだけの会合ではなく、会員の親睦(ぼく)と啓発を図るのを目的として、それにふさわしい行事を実施しょうということになりました。

  具体的には、 6月に総会、12月に忘年懇親会、春、秋にはレクリエーションということで歩く会,後にバス旅行を実施してきました。

 しかし、ただ楽しむだけではなく、先輩方の戦争体験談や在校生の終戦間際の生徒館生活を発表する等、海軍のよき伝統を確認し守っていくということと、併せて時代に遅れないように社会情勢や社会常識に関する勉強会をも実施してきました。

 その間、桂先輩は二度も海中に放り出されながらも生き残ってこられたという歴戦の勇士にもかかわらず、常ににこやかに、やさしく、時にはきびしく私達後輩をご指導下さったことは、本当に有り難く会員一同、心から尊敬していました。

 また、航空母艦「瑞鳳」の乗組員として撃沈された瑞鳳の最後を見届けられ、その海戦の記録をぜひ残さなければ・・という責任感の強い方で、海戦の記録を克明に調査され、名文で作成された著書をいくつか拝見いたしました。

 昨日、通夜の席で、戒名に「瑞鳳院・・」という院号がつけられていることを知り、本当に空母瑞鳳を愛しておられたのだなあ−と痛感いたしました。

 京都ネイヴイ・セブンティ会は、桂先輩の肝いりでさきに立派な十年誌を作成し、その運営にも立派なレールを敷いて頂きました。

 今年初めに病に倒れられ、このたび予想もしなかった訃報に接して驚きました。

 奥様はじめご家族のお悲しみは察するに余りあります。

 若輩ながらこのたび代表幹事を引き継ぐことになった私は、会員の皆さんと協力しながら先輩の敷かれたレールを大切に守り、京都ネイヴイ・セブンティ会の運営に懸命の努力をいたす覚悟であります。

 どうかご安心ください。そして、安らかにお眠りください。

 ひたすらに先輩のご冥福をお祈りし、お別れの言葉といたします。

  平成21 823

京都ネイヴイ・セブンティ会

代表幹事  大島 達也 

  (なにわ会だより2号6頁 平成22年 3月掲載)

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