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91号

第十一回戦闘機会記

松山  実

好天に恵まれた五月十一日、十二日に標記会合が開催され、新参加の人を含め二十三名(内女子九名)の近来希に見る多数の参加者があり、盛大に盛り上がった会となった。

戦闘機隊は兵学校卒業後、霞ヶ浦空に直行、赤トンボの実習があり、終了後、神ノ池空で零戦の訓練となったが、神ノ池空は我々が着任する時に開隊された航空基地で、砂塵濛(さじんもうもう)、周囲には緑がないばかりか、民家や商家も一軒もなく、遊びに行く所もない当時フランス映画で流行した「格子なき牢獄」のようなところで、休日も隊でゴロゴロしている始末であった。教官が見るに見かねて隊のバスを仕立ててくれて行ったのが、犬吠埼(銚子のはずれ)の「ぎょうけい館」で、銚子市内の観光を兼ねた清遊であった。

六十年ぶりに、昔の面影を偲んで会を開こうとの意見が多かったので、十一日四時に銚子駅集合、迎えのマイクロバスで「ぎょうけい館」に到着した。

鉄筋三階建て、ロビー、居間、食堂、浴場からも太平洋を180度見渡せる眺めの良い旅館に変貌していた。

七時から宴会を開始、岡本の挨拶、物故者に敬意を表して黙祷、石井の乾杯の音頭で打ち方始め、恒例の村瀬の豪放の中に軟らか味のある日本舞踊が披露されてから、カラオケあり、独唱あり、デュエットあり、時の過ぎるのを忘れさせる宴も九時半にお開きになった。次いで、幹事の部屋で二次会が開かれ侃侃諤諤(かんかんがくがく)の意見が飛び出し、最後に次回の場所を奈良とし、石井、大村組が幹事を引き受けることを決めて十一時半床に就いた。

二日目は七時半に朝食、九時旅館のマイクロバスで市内観光に出発、地球の丸く見える丘 展望館の展望台で三六〇度の大パノラマの展望に、心が洗われる感じで時の経つのを忘れる思い、次いで車中から銚子マリーナを見学。

さらに、三八〇年の伝統を持つヒゲタ醤油(しょうゆ)を訪れ、大豆、小麦、食塩を原料とする工場の製造過程の説明を聞きながら見学、歴史館で同社の社歴と実際に見た工程を映画で再確認、超特選本膳をお土産に頂き、銚子漁港の外洋漁船から鰯(いわし)の水揚げを行っている岸壁のすぐ横を通り抜けて、漁港の雰囲気を味わいながらウオッセ二一に到着、各自それぞれに新鮮な土産品を購入して帰館し、昼食後銚子駅まで送って貰って解散した。

素晴らしい景色、新鮮で豊富な料理、十分な飲み物、しかも好天に恵まれ、全員堪能して貰い、幹事冥利に尽きる会合であったことを感謝している。

 (敬称略)(幹事 岡本、松山)

参加者

粕谷衛(仁司の弟)・新庄・河野恵津子(俊通の妻)・中西英子(健造の妻)・岡本邦子(岡本の妻)、市瀬あい子(市瀬の妻)・粕谷康子(粕谷の弟の妻)・竹内あい子(茂の妻)・同和子(茂の妹)・山田一夫(三郎の兄)・石井・岡本・吉田純子(河野の娘)・中西典子(健造の嫁)・吉江恒良・相澤・市瀬・大村・阿久根・村瀬・森園・松山