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関西なにわ会報告記

桂 理平・小西愛明

 関西なにわ会は終戦後まだ我々が公職追放中であったとき、人目を避けて大阪でクラス会を開いたのが、発端であると聞いている。その頃の主要なメンバーとして活躍した河野

俊通、河口 浩、藤尾圭司の三君が昨秋から今春にかけての間に、次々に鬼籍に競うように入ってしまった。大きな寂しさを味わっているのは私達だけではないと思う。

 六月には大阪で例会を開くことを恒例にしたいと念願しているので、今年も招集をかけたところ多くの出席があり、特に遠路を厭わずに樋口 直、三好文彦の顔が見えて大変嬉しく思っている。既に濱田秋朗、溝井 清は常連として出席してくれている。有難いと感謝しています。今後もよろしくと申し上げます。

当会会員四二名に案内状を出し、出欠を確かめた結果、二三名が集まった。

一、日時  平成九年六月二十一日 17002000

二、場所  大阪市梅田大阪弥生会館

三、出席者二十三名の名前(掲載略)

四、欠席者の消息

山本省吾         幹事の勧めもあって私の闘病記が参考になるならばと思いまとめて送る。

上野三郎(兵) 鎌倉へ転居した

上野三郎(機) 大学の学部創立記念式典と合致した

宇野俊夫    本人は元気、当日法事がある

大山裕正    体調やや不良、次回は出席の予定

塩見頴一    家を改築中で忙しい

高井 實    三月に骨折して入院手術した。

楢村明聖    いろいろ世話になります、盛会を祈る。

原田敏郎    相変わらず体調芳しからず

松田 清    三月中旬より肋膜炎で入院し、四月中旬退院した

樋口 幹    庭の土いじりに追われている

諸橋久信    親戚との海外旅行と重なってしまった。

杉田繁春    体調不良のため締切日まで様子を見たが、残念ながら欠席する。

東条重道    病院の検査の予約日と重なった。

以上一四名

 案内状を受け取っても返事のない人は、次回は近況知らせて下さいね。

五、懇親会の概況

 L 樋口 直の話

  今年に入って飛行機関係のクラスが先を急ぐ傾向が顕著で世の中の無常を感じると共に、人恋しさも一層なものがある。元気な内に機会を逃さぬように出席して皆さんに会っておきたいと思ってやってきた、よろしく。

  東京のなにわ会としては、今年は通信連絡網を整備することにしているが、クラス会名簿は来年、新しい〒番号を入れて発行。また、なにわ会ニュースの発行は最後まで続けたいと考えている。

 2 いつもは言葉の少ない春日 仁だが終戦時に乗り組んでいた「ハ二〇一型潜水艦の短い生涯」について語ってくれた。原稿を片手に詳しい説明で貴重な体験談であった。発表するまでに大変な努力があったと推測している。

 先日、更に推敲して原稿を押本編集長に送ったと知らせがあった。

余り知られていないハ号型潜水艦の終戦前後の状況がよく判った。クラスも十数人乗っていたらしい。独立した記事として掲載されると思うので読んで頂きたい。(14頁参照)

 3 京都の山本省吾は体調の関係で欠席した。彼は大腸と肝臓のがん手術を各一回行い、その後にも部分的な障害が出て更に二度も開腹手術をしているが、それらを乗り越えて平常の生活に戻っている。

 幹事からお願いをして「闘病記」を書いて頂き出席者に配布したが、がん治療についての患者側の貴重な話である。クラス全員にも参考になると思うので、別稿として掲載した。(17頁参照)

4、神戸の前田正弘は阪神大震災に直面して家が全壊する災難にあった。臨時の借り住まいの後最近に住宅を再建して一段落をしたので、今回出席してくれたと思っている。

 震災の起きち時、ここは戦場なのだと考えた。戦場にいると思えば、どんなことが起きても不思議でない。頑張ろうと 心に決めたと当時の心境を述懐してくれた。

5、宝塚の鈴木 彊は去年バター中に倒れた。 リハビリに励んだ結果回復して現在はこの通り元気になった。心配を掛けて申し訳なかった。

6、松江の浜田秋朗は何時もよいことを言ってくれる。

  俺は六月初めの靖國神社参拝クラス会に参加したが、その帰り道に千鳥ケ淵墓苑を知ってお参りしてきた。戦地に取り残されて名前の判らない遺骨を、故国に持ち帰ってここに祭ってあるんだ。靖國神社へ行ったらここへも参拝するようにして欲しいもんですね。

 地方人の我々はこの事実を恥しながら知らなかった。今後はそのようにしようと思う。

7. 福岡の三好文彦はクラスに会いたくなったと言って気楽に出席してくれた。昨秋は河野の葬儀に参列し、続いて今回も顔を見せてくれた。福岡でもクラス会をやるときは案内をするので、皆さん出来るだけ参加してくれと挨拶があった。

 最後に幹事からの連絡を申し上げる。

 秋には京都で十一月十三日(木) に秋季例会を行います。東山鹿ケ谷にある名利法然院(境内の環境は抜群の趣があり、

その墓地には谷崎潤一郎、河上肇、福田平八郎氏等の有名人が眠っている)で戦死者及び戦後の物故者の法要をした後、

付近を散策の後、レストランで夕食を共にして歓談したいと考えています。各位には繰り合わせてご出席をして頂きたく

存じます。最終的に行事内容を決めましたら正式に案内状を差し上げます。

 今秋はJR新京都駅を始め駅前デパートや駅前ホテルが開業しますし、地下鉄東西線も運行を始めています。少々新し

くなった京都で一日の清遊を楽しまれては如何でしょうか。

 全国からもお出かけ下さい。

(平成九年七月七日記)